マインドセット実践方法


マインドセットを切り替える初級編

それでは、マインドセットを切り替えていくための実践を行なっていきましょう。

ネガティブ思考をあぶりだす

ネガティブ思考をあぶりだすには、ノートとペンを用意してください。

 

ノートに書き出すことから始めます。

 

これは、パソコンでメモやエクセルなどに打ち込んでいくのはNGです。

 

「書く」という作業は1万種類の神経を使うので、脳が活性化し、より潜在的な思考に近づくことができます。

 

必ず書くようにしましょう。

 

また、1枚の紙ではなく、お気に入りのノートを用意することをおすすめします。

 

ネガティブ思考を分解していくのは1回では終わりません。

 

もちろん1回でも結果を得ることができますが、

続けていくことでさらに現実が変わっていくことがわかると思います。

 

ノートに書くことで、ネガティブ思考を分解したログを残しておくことができ、

自分の成長を目で見ることができます。

 

自分の成長の記録を確認することは、この先モチベーションを保つ上でとても意味のあるものになるので、

ぜひノートを用意して始めてみてください。

いま認識している現実を書き出す

ノートを用意したら、早速始めていきます。

 

最近いやなことや、悲しかったこと、悔しかったこと、ツラかったことはありましたか?

 

その出来事や感情をこまかに書き出していきます。

 

日記を書くようなイメージでかまいません。

 

すぐに思いつかない人は、今の自分の現実はどんなものか?を書き出していきましょう。

 

◾︎夫婦共働き

◾︎家族3人暮らし

◾︎いつも時間に追われている

◾︎太っている

 

といった感じで、思いつく限り書き出してみてください。

 

5分や10分など時間を決めて書き出してみると集中してたくさん書き出すことができます。

 

最近あったいやなことや、悲しかったこと、悔しかったこと、

ツラかったことを書き出している人は罵詈雑言でもなんでもいいので、

とにかく起こったこと全部と感じた感情をすべて吐き出すように書いてください。

 

これだけでもすっきりする効果がありますよ。

事実、幻想、感情に分ける

それを事実と幻想と感情に振り分けていきます。

 

色ペンを使っても良いですし、マル◯や四角、波線などで分けても良いです。

 

ここで注意してほしいのが、幻想を事実だと見誤らないことです。

 

どういうことかというと、実際によくある例を出して説明していきます。

CASE1:私は太っている

例えば、「太っている」といった項目を書いたとします。

 

それは主観が入っている可能性があり、

世界中の誰がみても100人中100人があなたが太っていると感じるかどうかはわかりません。

 

その場合は幻想になります。

 

もし、BMIの測定で「肥満」という結果が出たなら、「事実」です。

CASE2:仕事がうまくいっていない

「仕事がうまくいっていない」という項目を書いたとします。

 

それは、あなたにとって「仕事がうまくいっていない」と感じている状態であり、

誰がみても「仕事がうまくいっていない」状態とは限りません。

 

もしかしたら、他の人から見たら、あなたは「仕事がうまくいっていてうらやましい」と写るかもしれません。

 

あなたはなぜ「仕事がうまくいっていない」と感じますか?

 

もしかしたら、あなたから見て「仕事がうまくいっている状態」の人と比べてそう感じているのかもしれません。

 

しかし、あなたから見て「仕事がうまくいっている状態」の人でも、

本人は「仕事がうまくいっている」と感じていない可能性があります。

 

また逆に、あなたから見て、

あなたよりも「仕事がうまくいっていない」と思う人がいても、

本人は「仕事がうまくいっている」と感じているかもしれません。

 

現実の感じ方は人それぞれで、自分が見たい現実を見ることができるのです。

 

つまり、「仕事がうまくいっていない」と感じているのは主観でしかないわけで、

幻想ということになります。

CASE3:私は嫌われている

例えば、ほかにも「職場の上司が私のことを嫌っていて仕事がやりづらい」と書いたとします。

 

しかし、職場の上司があなたのことを本当に嫌いかどうかは、本人しかわかりませんよね。

 

「ふだんの態度から、そう感じた」のであれば、

どんな態度や言動に対して「嫌われている」と感じたのか書き出してみてください。

 

その書き出してみた上司の態度や言動と、

あなたのことを「嫌っている」状態をくっつけて考えるのはなぜですか?

 

だって、もしかしたらその上司の態度や言動は、

もしかしたらあなたに期待しているのかもしれません。

 

あるいは、あなたが優しいからストレスのはけ口にしているのかもしれません。

 

もしくは、あなたが仕事ができる部下なので嫉妬している可能性もあります。

 

ほかにも、あなただけではなく、他の人にもそういった態度をとっているのかもしれません。

 

さらには、あなたはその上司が、

その昔、上司を傷つけた失恋相手に似ているから辛くあたっているのかもしれません。

 

本当のことはその上司にしかわからないのです。

あなたからは何もわからないから、

自分がこれ以上傷つかないように「上司は私を嫌っている」という幻想を生み出してしまったのかもしれませんね。

ポイント

このように考えると、

あなたの書き出した現実はほとんど幻想になっていませんか?

 

「というか、この考え方ってめちゃくちゃ自分に都合の良い考え方をしろってこと?」と

感じた人もいるかもしれません。

 

それで大丈夫なのです。

 

事実かどうかわからないネガティブなことに感情を振り回されることは、

自分のチャンスや機会を失いかねません。

 

それよりも、自分の都合の良い捉え方をしてポジティブに考えることで道がひらけるなら、

そのほうが断然良いです。

 

そしてこれが、成長型マインドセットに切り替える第一歩になります。

 

脳の使い方を変えるだけで、

こんなに自分にとって心地の良い捉え方ができて、

現実の見え方が変わってきます。

 

現実の見え方が変わると、

脳はそれに合わせてどんどん自分に都合の良い状態を実現してくれるようになります。

マインドセットを切り替える中級編


なぜその幻想が生まれたのか考える

それでは、なぜその幻想が生まれてしまったのかを考えていきましょう。

 

上記のCASE.1で例えると、

なぜBMIが標準値なのに自分のことを「太っている」と思っていたのかということです。

 

CASE.3の場合であれば、

なぜ上司の態度や言動から「私のことを嫌っている」という幻想を生み出してしまったかを考えていきます。

過去の記憶を探る

実生活で使っている脳は、「顕在意識(五感で感じたもの)」が5%、

「潜在意識(記憶)」が95%で構成されています。

 

情報(記憶)の中に幻想となる原因の出来事や、

見たり聞いたりして得た情報が入っています。

 

その情報(記憶)を毎秒休むことなく検索にかけて、

目の前に起こっていることと記憶をくっつけて考えるように人の脳はできています。

 

それは、自分の身に起こった出来事かもしれないし、

人から聞いたこと、目の前で起こっているのを見たこと、

ネットやテレビなどのメディアの情報を採用してしまっているのかもしれません。

 

とにかく思い当たる節をつぎつぎに書き出していきましょう。

 

感情もいっしょに書き出していくのがポイントです。

 

CASE.1の場合

◾︎昔クラスメイトに太っていることをからかわれて傷ついた。

◾︎テレビや雑誌に出ている女性はみんな細い。

◾︎服を買うときはいつもLサイズだ。

 

CASE.2の場合

◾︎周りの人がキラキラしているように見えて眩しい。

◾︎周りの人の話を聞いていると、自分はまだまだだと感じる。

◾︎周りの人ほど仕事を獲得できていなくて劣等感を感じる。

 

CASE.3の場合

◾︎いつも私には他の人より辛くあたられて悲しい。

◾︎私は悪くないのに怒られることが多くて悔しい。

◾︎あのときのミスを私のせいにされた!ムカつく!

 

「この出来事が原因だ!」と確証は持てなくても大丈夫です。

 

これかな?というレベルでどんどん書き出していってください。

 

書き出してみると気づくかもしれませんが、

書き出した過去の記憶も幻想まみれになっていることがあります。

 

その幻想の中でもとくに傷ついたり、

心が揺さぶられたものをピックアップして、

再度「なぜその幻想が生まれたのか」を書き出していきます。

感情を見る

このときのポイントは、

感情にフォーカスすることです。

 

幻想は、感情が大きく動かないと生まれません。

 

必ず感情とセットになっているはずです。

 

「悲しい」「悔しい」「イヤだった」

「不快だった」「気持ち悪かった」「怖かった」

など感情にフォーカスを当てて、

なぜそのように感じたのか?

ということを自分に問いかけてみてください。

 

なぜ自分はこのとき◯◯と感じたのか?

 

落ち着ける場所でリラックスして考えてみましょう。

「なぜ?」を5回 自分に問いかける

なぜ自分はこのとき◯◯と感じたのか?

を書いてみると、また別の出来事や感情が出てくるかもしれません。

 

それをまた、「なぜその幻想が生まれたのか?」「なぜそう感じたのか?」

「なぜそう思ったのか?」を自分に問いかけてみます。

 

5回くらい繰り返すともう出てこなくなるでしょう。

 

このときまだ出てくるなら続けても良いし、

5回繰り返す前に出てこなくなったら終わりにしても大丈夫です。

 

 

自分は自分のことを太っていると感じているのはなぜか?

昔クラスメイトの男子に太っていることをからかわれたから。

「学年で一番太っている!デブ!さわったらデブが移る!」

とひどいことを言われ傷つけられた。

 

 

確かにクラスの他の女の子よりも太っていたかもしれない。

学年で一番太っていることに対して図星かもしれないと思うと何も言い返せなくなった。

仲のいい友達も何も言ってくれなくて孤独を感じた。

 

 

なぜ一番太っているかもしれないと思ったか?

日頃から体型についていじられたり、友達と同じ服を来ても見え方が全然違うと感じることがあり、

コンプレックスを感じていた。

なぜ太っていることに対して図星かもしれないと思ったから何も言い返せないと思ったのか?

言い返すことでこれ以上、傷つけられる言葉をさらに言われるのが怖かったから。

 

 

なぜこれ以上傷つけられてしまうのが怖いと感じたか?

太っていることにこれ以上言及されることで、

太っていることをみんなの前でどんどん証明されるんじゃないかと感じたから。

それが怖かったし、恥ずかしかったから。

 

 

太っていることをみんなの前で証明されることが恥ずかしいと感じたのか?

太っていることを、醜いと感じているから。

 

 

なぜ太っていることが醜いと感じるのか?

テレビや雑誌に出ている女性はみんな細くてスタイルが良いから。

 

 

本当にテレビや雑誌に出ている女性は全員細くてスタイルが良いのか?

太っている人は全員醜いのか?

太っている人は醜いと、すべての人が感じているのか?

 

 

(すべて自分の主観によるものである)

自分が傷つきたくなくて幻想を作っていた。

 

 

 

※この例はあくまで一例です。

 

この文章の中には他にも分解するべき幻想がたくさんありますので、

書けるなら書けるだけ幻想を書き出しましょう。

 

例えば、CASE.2やCASE.3の場合は、

大人になってからの出来事かもしれませんが、

もともと幼いころの記憶が幻想を作っている場合もあります。

 

特に両親との関係や出来事が深く関わっている場合も多いです。

 

CASE.2の場合は、

母親に「あなたはできの悪い子ね」と子供のころよく言われていた。

父親に「勉強ができないやつはダメなやつだ」と子供のころ言われた。

という記憶が、「仕事がうまくいっていない」という幻想を作っているのかもしれません。

 

CASE.3の場合は、

母親はいつも弟の方ばかりを可愛がっていた。

母親は、弟が悪くても私を叱っていた。

という記憶が出てくるかもしれません。

こうした親との関係や、

言われたことをきっかけに親のフィルターを無意識に採用してしまっている状態です。

 

 

親が「勉強できないやつはダメなやつだ」と言っていたのを

自分のフィルターに採用して

「仕事ができない自分はダメなやつだ」という幻想を作り出していた。

 

 

この場合もあくまで一例ですので、自分の記憶をたどって分解してみるようにしましょう。

幻想を昇華する


そのときの自分の感情に共感してあげる

分解できたら、そのときの自分の感情に共感をしてあげましょう。

 

ただただ私はこのときこんな風に思っていたんだなあ、と

しみじみと味わって、そのとき感じた感情に共感してあげましょう。

 

「つらかったね」「さみしかったね」

「大変だったね」「傷ついたよね」など共感してあげることで昇華する(=手放す)ことができます。

 

涙が出そうであれば止めないでください。

 

過去の自分を心の中で抱きしめてあげるように、

共感して涙を流してあげましょう。

 

もう今は、そのときの状況でも自分でもありません。

 

過去に感じたネガティブな感情は手放して、他人のフィルターを採用しないこと。

 

自分の心地の良いフィルターで生きていくと、ポジティブになり、視野が広がるのを感じると思います。

何度もくりかえす

ふだんから、ネガティブな感情が湧いてきたら、

分解をするようにしましょう。

 

今の自分の状況をなんども分解するのもおすすめです。

 

繰り返すことで別の記憶が出てくるかもしれないし、

自分の意外な思い込みや価値観に気づくことができます。

 

自分でこんなふうに思っていたんだ。

こんな価値観を持っていたんだ。

ということがだんだんわかるようになってくると、

目の前のネガティブな出来事に対していつも冷静でいられるようになり、

自然とセルフコントロールができるようになっていきます。

潜在意識を書き換える上級編


過去のネガティブな記憶をポジティブに変える

直近で起こったネガティブな出来事ではなくても、

過去にあったイヤだった思い出、思い出したくないことがあったり、

もう二度と会いたくないと思っている人がいたりしたら、

それを分解していくのもおすすめです。

 

最初は思い出したくもないことを思い出すのは気が進まず、

もしかしたら今でもつらいと感じることもあるかもしれません。

 

しかし、過去のネガティブな記憶をポジティブなものに変えるというのは、

とても意味があることなのです。

 

潜在意識について少しおさらいしますが、

潜在意識とは生まれた時から積み重ねてきた経験による決まった思考パターンや価値観のことです。

 

直近の出来事だけを分解したとしても、

今まで積み重ねてきた膨大な記憶による思考パターンや価値観は

なかなか根本から変えるには難しい場合があります。

 

そこで強力な効果があるのが、過去のネガティブな出来事を分解することです。

 

「そんなの絶対に無理!」と最初は思うかもしれません。

 

すぐには無理でも、できそうなタイミングがあればチャレンジしてみてほしいのです。

 

例えば、過去にいじめをされていたことがあるとします。

 

あなたは深く傷ついた。相手を絶対に許さないと思った。

 

でもその経験があるからあなたは、

人の痛みのわかる人間になれた。

 

やさしくて、人の気持ちによりそえる人間になれた。

 

といったように、

自分がその経験を経て、得ることができたものにフォーカスしてみます。

 

これは多少こじつけでもかまいません。

 

心から思っていなくても、

ノートに「私はこの経験のおかげで今、◯◯することができている、ありがとう」と書いてみてください。

 

もう一度書きますが、最初は心から思ってなくても大丈夫です。

 

なんども分解を試しているうちに、

本当にそう思えるときがきたらめちゃくちゃ収穫です。

 

目の前の景色がちがって見えるくらいに、ポジティブ思考になることができますし、

潜在意識もみるみる変わってポジティブな行動を加速することができますよ。

まとめ

マインドセットを切り替える具体的な方法について理解できましたでしょうか?

 

最初のうちは幻想を見分けるのも少しむずかしく感じてしまうかもしれません。

 

さらに、過去の記憶をさかのぼって分解していくというのは、

一朝一夕でできるものでもありません。

 

人の脳は、思い出したくない記憶に関しては顕在化させないようにする性質があるので、

もともとのネガティブ思考を生んだ記憶はどれなのか、分解するのに時間がかかる場合もあります。

 

すぐに分解はできなくても、ノートに書きとめておくことで、

あとから思い出して分解しておくことができます。

 

一見すると、起業には関係ないように見えるこの作業ですが、

冒頭にも記述したようにマインドセットはビジネスをしていく上で土台となるものです。

 

このステップは起業して豊かなビジネスをしていくためには非常に大事なステップです。

 

あなたが、フリーランスで、もしくは起業して、

好きな仕事で豊かにビジネスで成功したいと思っているなら、

必ず実践してくださいね。